おいしい香り

会社帰りや週末に街を歩くと、新しいお店ができていることを目にすることがあるでしょう。
お洒落や流行に敏感な女性なら、何のお店かなと気になって店内の様子を覗いてしまうかもしれません。
そのようなとき、女性の胸が高鳴るのは一体どのようなお店でしょうか。
素材やハンドメイドにこだわった服や靴を扱うショップかもしれませんし、北欧やモロッコといった異国の魅惑的でかわいい小物を扱う雑貨店かもしれません。
もしくはオーガニックな素材にこだわるカフェや最新スイーツのお店ということもあるでしょう。
いずれにしても、新しいお店が街に出来るというのは、その前を歩くこちらも新たにリフレッシュされる気分になるのではないでしょうか。

雑貨店などではシトロネラやシダーの香りが店内に心地良く漂うことはありますが、店舗の外にまでそういった香りは届きません。
しかし甘いスイーツ、特にワッフルやパンケーキ専門店の場合、お店の近くに足を運んだ途端にバターの甘い香りに誘われ、そのおいしい香りがする方へと自然に足が向いてしまうということはないでしょうか。
これまで幾度となく往来してきた道にはじめて広がるおいしそうな香りが漂ってきたら、それだけでワッフルやパンケーキなどのスイーツのお店かブーランジェリーができたのではないかと連想できるでしょう。
香りは記憶を呼び覚ます効果があるため、今後お店の近くを通るたびに「あの通りにバターの甘い香りのするお店がある」と思い出してもらいやすく、その香りによって「食べてみたい」という衝動に駆られてお店へ足を運んでもらえるかもしれません。

現在ではパンケーキ専門店が続々と新しくオープンし、テレビや雑誌がこぞって特集を組んだり、飲食店のランキングサイトでは高級フレンチやイタリアンと肩を並べるほどの高得点を獲得したりと非常に人気を博しています。
それらに掲載されている写真を見ると、その理由は明らかです。
それらはまさにフレンチの芸術性にも劣らぬほど繊細でエレガントであるにもかかわらず、ホットケーキに馴れ親しむわれわれ日本人には非常に距離の近い特別な一皿だからです。
スイーツが好きな人なら誰もが頬を緩ませながら「おいしそう」と声をあげてしまうでしょう。

パンケーキに添えられたクリームやバター、チョコレートに色鮮やかなフルーツ。
さまざまなアングルから撮影されたおいしそうな写真を目にし、味と食感をきっと想像するはずです。
しかし写真や文章からは伝わらない出来立ての甘い幸せな香りは、実際に店舗へ食べに行かないことには味わえないものです。
おいしい料理とは、見ておいしく、食べておいしく、そして香りもおいしい、ということにほかならないでしょう。
良い香りのするお店に出会ったならば、ぜひ立ち寄ってみてはどうでしょうか。